SIRUI N-2204SK+K-20X レビュー。操作性抜群な中型カーボン三脚。

夜景撮影や長時間露光で必須となってくるカメラの三脚。

僕は、これまでアルミ製の安いトラベル三脚を使っていたのですが、使用機材をα7Ⅲに変えてからやや不安だった、そして最近望遠レンズを購入したこともあり、新たにSIRUI/シルイのカーボン三脚N-2204SKと自由雲台K-20Xを購入しました。

SIRUIは中国の三脚メーカーで、同スペックの三脚より比較的手ごろな価格で販売しています。高精度で造りも良く、コスパ最強と呼び声高く近年評価が上がっている三脚メーカーです。

安定感十分、細かな所も使い勝手が良く、α7Ⅲなどフルサイズミラーレス一眼に最適な中型カーボン三脚だったのでご紹介していきます。

僕が求めた三脚の条件

まず、僕が三脚を購入する上で求めた条件は主に以下の3つ

  • パイプ径28mm前後
  • エレベーター無しでアイレベルの高さ
  • カメラリュックで運べる長さ

他には、なるべく軽いほうが良い→カーボン三脚といった条件でした。

これらの条件を満たしてくれた三脚の中から、悩んだ結果SIRUI N-2204SKを購入しました。

SIRUI N-2204SK+K-20X レビュー

N2204SK+K-20X 詳細スペック
素材 カーボン
段数 4段
パイプ径最大 29.4mm
パイプ径最小 18.6mm
最低高 271mm
全高 1451mm(脚のみは1350mm)
最全高 1731mm(脚のみは1630mm)
縮長 661mm(脚のみは560mm)
逆縮長 495mm(脚のみは490mm)
重量 2.1kg(脚のみは1.7kg)
搭載荷重 15kg

N-Sシリーズとは

SIRUIいわく、プロフェッショナルな安定性のニーズを満たすシリーズ。

他にも、旅行に最適なトラベル三脚のT-Sシリーズなどがあり、このN-SシリーズはGizzoでいうところのマウンテニアの位置づけでしょう。

N-2204SKの数字も、1桁目が2型、2桁目が素材、4桁目が段数と、Gizzoを確実に意識しているであろう名前の付け方になっています。

SIRUI N-2204SK+K-20Xの外観

まずは、パッケージから。箱はしっかりしており、中国製の他の安価な三脚とは違う高級感があります。

N-2204SKとK-20Xが入っていることがわかるシール。

箱から取り出してみます。α7Ⅲと並べるとこんな感じ。縮長は49.5cmと大きめのカメラリュックなら違和感なく取り付けて運べるサイズ感。

パイプ径は一段目で29.4mmと太いため、長さは短くてもある程度はかさばってしまいます。三脚において安定感と脚の細さはトレードオフの関係なのでここは仕方のない部分ですね。

脚とエレベーターを伸ばさずに立てて、高さはだいたい60cmくらい。脚を全て伸ばすと、エレベーターを使わず全長が1.45mになります。これにカメラを取り付けると、エレベーター無しでアイレベルを確保することが出来ます。

脚の付け根部分は、強度に優れているマグネシウム合金を削り出しで加工。これにより衝撃吸収に強い作りになっています。質感も高く、高級三脚に引けを取らない造りになっています。

“MONOPOD”と書いてある部分を取り外して、センターポールと合体させると一脚としても使うことが出来ます。

雲台を付けるベース部は実測52mm。このサイズ感なら、大きめの雲台でもマッチして安定して支えてくれます。

センターポール下部にはフックが付いています。カメラバッグなど重りとなるものを引っ掛けることでさらに安定性を高めることが出来ます。

付属品

同梱されている付属品は以下の通り。

・三脚ケース
・スパイク石突
・六角レンチ
・一脚用ストラップ

三脚ケースはしっかりした造りです。青のラインは個人的には無かった方がよいなと思いますが。

自由雲台 K-20X

K-20X 詳細スペック
ボール径 38mm
高さ 98mm
ベース径 54mm
重量 430g
搭載荷重 25kg

ボール径は38mmで安定感は十分。ボールを動かすつまみも精度高く、ヌルヌルと動いて、軽く締めればバシッと止まる、という非常に良い雲台です。

K-20Xについては、詳細なレビューを後日書く予定。

→K-20Xについて書きました。

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SIRUI N-2204SK+K-20Xの特徴

十層巻カーボンで剛性が高い

カーボン十層巻きで強度は十分。カーボンシートがダイヤ模様に巻いてありかなりカッコ良い。どれだけ性能が良くてもデザインが気に入ったモノの方がやっぱりいいですからね。強度については、同じ十層巻きでもカーボンの素材によってももちろん強度は変わってくるので、Gizzoなどと比べたら剛性は劣りますが、僕の撮影機材では十分な剛性が保たれています。

ナットロックがスムーズ

脚の固定はナットロック式で、半回転でロック解除、固定がしっかりできスムーズに動きます。安く精度の低い三脚だと、思いっきり閉めないと固定できないものもあるのですが、このナットロックには満足しています。

また、一番感動したのが、ナットロックを解除したときに脚が自重で伸びていくこと。

半回転させ軽く緩めると、「カッ、カッ、カッ」と下まで伸びてくれます。これにより、三脚を素早くセッティングすることができます。そして何よりもこの音が気持ちいい

こういった細かい丁寧な造りはユーザーのことが考えられていて嬉しいですよね。

セミオートラチェット機構

収納時、脚を逆向きに収納するときや、脚の開脚幅を変えるときに使うロック部。このロックを一度押し込めば、手を放してもロックが解除された状態でキープしてくれて脚が畳まれると自動でロックが戻ってくれます。

この押し込む半自動機構がとても快適。ロック部を引き出すタイプだと、冬場手が痛かったり、手袋をしていると引き出すのに苦労することもありますが押し込みタイプは楽に操作できます。

脚を開いていくときも、「カチ、カチ」と三段階の開脚角度でロック部を触ることなく止まってくれます。先ほどのナットロックと合わせると、セッティング時に、「カチカチカチ」からの「カッカッカ」と気持ちよく素早くセッティングできます。

ローアングルも得意

センターポールは取り外すことが出来るので、その状態で脚を最大に開くと、最低高271mmに。普通に脚を伸ばして使うときもエレベーターを使用しないなら、このセンターポールを外すことで風によるブレを減らすことが出来ます

脚を最大に開いた状態

センターポールを外して逆向きに付けることもできるので、271mmではまだ高いときには、さらにローアングルでの撮影が可能になります。

高さ調整に便利な目盛り付き

4段目の一番細い脚には、5cmごとの目盛りが付いています。3本ともについているので、微妙な高さの調整を4段目で行うときに、確実に3本の脚の高さを揃えることが出来るので便利ですね。

本体に1/4ネジ付きで拡張性がある

フタ付きの1/4ネジ

本体部分に1/4ネジがあり、別売りのアクセサリーを取り付けることが出来ます。例えばスマホのホルダーを取り付ければ、スマホでタイムラプスを撮りながら撮影といったシーンでも三脚1本で出来てしまいます。

こういったマジックアームを使えば、スマホホルダーを取り付けたり、LEDライトやモニターを取り付けて撮影することが出来ます。

まとめ

もっとしっかりした三脚が欲しいと思い購入したSIRUIのN-2204SK。

最大パイプ径29.4mmとフルサイズ一眼でも耐えられる安定性で、操作性もばっちりな三脚でした。

やや大きく、重いかなと思いますが、三脚として一番重要な安定性を考えると仕方のないところ。十分高さがあり、なんとか持ち歩いて長時間歩くこともできるという、中型三脚でありながら持ち運びもしやすい汎用性の高い三脚だと思います。

高級三脚を購入することも考えましたが、フルサイズのミラーレス一眼には十分で、総じて満足しています。

価格もこのスペックにしては安く、そろそろ良い三脚が欲しいなという人には良い選択となるでしょう。