写真をいろいろ撮っていくと必要になってくる三脚。三脚沼なんてものがあるくらいカメラマンにとって重要かつ、選択が悩ましいものです。
僕はSonyのフルサイズミラーレスα7Ⅲを愛用していますが、三脚選びにはかなり迷いました。
軽量なためフルサイズ一眼レフほどのものはいらない。ただ、ミラーレス用と謳われている三脚はフルサイズミラーレスには心許ない。
さらに、三脚はトラベル用であったり、強風や水の中であったりとその時々の撮影場面で最適なものを選択するのがベストです。ただ三脚ばかりそんなに買ってもいられないので、ある程度どんな場面でも使える中型三脚をおすすめします。
どんなものを選べばいいの?と思っているフルサイズミラーレスユーザーの方に向けて、フルサイズミラーレス用の三脚の選び方と、おすすめの中型三脚をご紹介したいと思います。
フルサイズミラーレスに最適な三脚の選び方
三脚には様々な種類がありますが、主に重要なのが、三脚の脚の太さ(パイプ径)と三脚自体の高さ、そして三脚の素材です。それぞれどういったものを選べばよいか解説します。
パイプ径
まず、三脚の脚の太さ、パイプ径についてです。このパイプ径の太さは、一番上段の最も太いパイプの径です。36mm、32mm、28mm、24mm、20mm前後などがあります。
パイプ径は三脚の安定性に最も重要といっても良いでしょう。耐荷重という指標もありますが、各社この耐荷重に関しての基準はばらばらで、三脚が倒れない程度としているメーカーもあれば、ブレる心配がない荷重としているメーカーなど基準があいまいです。ですので三脚選びの際には耐荷重は信用せず参考程度にしたほうが良いですね。
では、パイプ径はどの太さがいいのかというと、28mm前後のものがおすすめです。レンズが単焦点の軽量なものしか使わないならば25mmくらいでも大丈夫ですが、ズームレンズを使うor購入する予定があるならば28mm径が断然おすすめです。70-200f2.8クラスのレンズ使用でも問題ありませんし、それ以外のレンズでもある程度の風にも耐えて安心して撮影に臨めます。
高さ
高さに関しては、撮影地で自分より前に人がいたり、柵があったりという場面があるので高いに越したことはありません。が、その分持ち運びが大変になったり、同じパイプ径で高さを出そうと段数が多くなると不安定になってしまいます。基準としては、センターポールのエレベーターを伸ばさない状態で、アイレベルを確保できる高さ。
基本的にエレベーターは使わない方が良いですが、いざとなったらエレベーターでさらに高くできるでのこのくらいの高さが丁度良いですね。
身長170cmでアイレベルを確保すると、頭から目までの長さ、雲台の高さ、カメラのファインダー位置を考慮すると、三脚の脚のみで130~140cmくらいの高さは欲しいところ。
段数に関しては、段数が多くなるほど一番細い脚のパイプ径が細くなってしまうので、フルサイズミラーレスに使うなら段数は4段がバランスがいいですね。
素材
材質によって重さとコストが変わってきます。三脚の素材はカーボンかアルミで、今の主流はカーボンになっています。
アルミ:コストが安い、重い
カーボン:高価、軽い、振動吸収性が高い
基本的にはカーボン三脚一択でいいでしょう。少し高くなりますが、カーボンの方が軽量なため快適に撮影できますし、振動吸収性が高いため三脚により適した素材といえます。
フルサイズミラーレスにおすすめ中型三脚5選
上記の条件を満たしたおすすめ三脚5選をご紹介。
ジッツォ マウンテニア 2型4段 GT2542
- 詳細スペック
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パイプ径 29mm 段数 4段 エレベーター下げ全高 137.5cm 全伸高 165.5cm 最低高 15cm 格納高 56cm 重量 1.68kg 耐荷重 18kg
三脚界のロールスロイスとも呼ばれるほどの三脚メーカー「Gitzo/ジッツォ」のパイプ径29mm、4段三脚。とびっきり価格が高い三脚ですが、安定性はトップクラス、信頼度も抜群です。
脚のみで10万円しますが、とにかく丈夫で壊れないと評判で、一生ものの三脚です。
ベルボン Geo Carmagne N645Ⅲ
- 詳細スペック
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パイプ径 28mm 段数 4段 エレベーター下げ全高 125.2cm 全伸高 157.0cm 最低高 15.0cm 格納高 45.8cm 重量 1.5kg 耐荷重 4kg
日本の三脚メーカー「Velbon/ベルボン」のジオ・カルマーニュシリーズのパイプ径28mm、4段の中型カーボン三脚。
全高がやや低いですが、安定性は高く、製品に対する信頼性も高い。
スリック ライトカーボンE84
- 詳細スペック
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パイプ径 28mm 段数 4段 エレベーター下げ全高 130.7cm 全伸高 162.7cm 最低高 19cm 格納高 48.5cm 重量 1.44kg 耐荷重 5kg
Velbonと並ぶ日本の三脚メーカー「SLIK/スリック」の三脚。3ウェイ雲台の付いたE84と自由雲台が付いたE84 FAというモデルがあります。脚のみがAmazonに売られていますが雲台付きの価格を考えると割高。
こちらが3ウェイ雲台付きのE84
こちらはAmazon限定のE84の脚のみのモデル。
SIRUI N-2204SK
- 詳細スペック
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パイプ径 29.4mm 段数 4段 エレベーター下げ全高 135.0cm 全伸高 163.0cm 最低高 26.0cm 格納高 49cm 重量 1.7kg 耐荷重 15kg
最近評価の高い「SIRUI/シルイ」というメーカーのパイプ径29.4mm、4段の中型三脚。パッと見はGitzoを意識しただろうなという見た目。
格納はトラベル三脚と同様の脚を逆向きに収納する機構で、エレベーター無しでアイレベルを確保できる高さながら、格納高は50cm以下。雲台を含めてもこのサイズなのは今回ご紹介する5製品の中で最小サイズ。
僕はこれを選びました。購入レビューはこちらの記事。
夜景撮影や長時間露光で必須となってくるカメラの三脚。 僕は、これまでアルミ製の安いトラベル三脚を使っていたのですが、使用機材をα7Ⅲに変えてからやや不安だった、そして最近望遠レンズを購入したこともあり、新たにSIRUI/シルイのカー[…]
Leofoto LS-284C
- 詳細スペック
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パイプ径 28mm 段数 4段 エレベーター下げ全高 119.0cm 全伸高 150.5cm 最低高 6.5cm 格納高 45cm 重量 1.112kg 耐荷重 10kg
SIRUI同様、コスパ良く精度が高いと高いと評判の「Leofoto/レオフォト」の中型三脚。センターポールを排除し、軽量化と格納時にスリムに収まるデザインを実現。センターポールは付属しており、もしもの時には高くできます。
見た目は雲代含めRRSの三脚にそっくりですが、安定性も劣らず十分。デメリットは他の三脚に比べやや全高が低い点。
5製品のスペック一覧をまとめるとこんな感じ。
ジッツォ マウンテニア 2型4段 GT2542 | ベルボン Geo Carmagne N645Ⅲ | スリック ライトカーボンE84 | SIRUI N-2204SK | Leofoto LS-284C | |
パイプ径 | 29mm | 28mm | 28mm | 29.4mm | 28mm |
段数 | 4段 | 4段 | 4段 | 4段 | 4段 |
エレベーター下げ全高 | 137.5cm | 125.2cm | 130.7cm | 135.0cm | 119.0cm |
全伸高 | 165.5cm | 157.0cm | 162.7cm | 163.0cm | 150.5cm |
最低高 | 15cm | 15cm | 19cm | 26.0cm | 6.5cm |
格納高 | 56cm | 45.8cm | 48.5cm | 49cm(雲台含めても同じ) | 45cm |
重量 | 1.68kg | 1.5kg | 1.44kg | 1.7kg | 1.112kg |
耐荷重 | 18kg | 4kg | 5kg | 15kg | 10kg |
まとめ
以上、フルサイズミラーレス一眼に最適な三脚の選ぶ基準とおすすめ三脚5つのご紹介でした。今回紹介した三脚は僕が購入する際にかなり比較し迷った製品たちなのでどれを購入しても間違いないかなというところです。
α7シリーズやEOS R、Z6・Z7などのフルサイズミラーレス一眼ユーザーは参考にしてみてください。